求積の解説
Jw_cad で測った面積が合わない ― 原因と確かめる順番
Jw_cad で測った面積が、図面の数字や手計算と合わないときに確かめることを、多い順にまとめました。点の取り方、縮尺、壁芯と内法、円弧、寸法の数字の書き換えまで、照らし合わせの方法とあわせて説明します。
この記事の要点
- まず確かめるのは、点を右クリック(読取点)で取っているかと、縮尺の 2 つです。
- 壁芯で測るか内法で測るかで、8 畳ほどの部屋でも 0.8 ㎡以上変わります。どの線を測ったかを図で残します。
- 合わないときは、別のやり方(長方形の掛け算・座標求積)で 1 部屋だけ計算し直して、どちらが正しいかを決めます。
確かめる順番
面積が合わない原因は、たいてい次のどれかです。上から順に確かめると、早く原因にたどり着けます。
- 点の取り方Jw_cad では、右クリックで線の端点や交点を読み取り、左クリックでは何もない位置(任意点)を指示します。面積を測るとき、左クリックで頂点を取ると、線の角から少しずれた位置を拾ってしまいます。頂点はすべて右クリックで取ります。
- 縮尺Jw_cad は縮尺をレイヤグループごとに持っています。測る図形のレイヤグループと、いま書き込み先になっているレイヤグループの縮尺が違うと、結果がずれます。1/100 と 1/50 なら、面積は 4 倍違います。測る前に、書込みレイヤグループを図形のあるグループに合わせます。
- どの線を測ったか壁の中心線(壁芯)を測ったのか、壁の内側の線(内法)を測ったのかで、面積は変わります。図面の数字がどちらで出されているかを確かめます。
- 円弧の部分円弧を含む区画を点だけで測ると、円弧が直線(弦)として扱われ、その分の面積が抜けたり余分に入ったりします。円弧の部分は、扇形などの式で別に確かめます。
- 寸法の数字寸法の数字が手で書き換えられていて、線の実際の長さと合っていない図面があります。測定は線そのものを測るので、寸法の数字から計算した面積とは合いません。
単位(mm か m か)と、表示する小数の桁数の設定も、合わせて見ておきます。
壁芯と内法で、どれくらい変わるか
同じ部屋でも、どの線で囲むかで面積は変わります。壁の厚みが 120mm、壁芯で 3,640mm 角の部屋なら、次のとおりです。
建築基準法の床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分で測ります(建築基準法施行令 第2条第1項第3号)。一方で、部屋の広さの説明や登記(区分建物)では内側の線を使う場面もあります。何のための面積なのかを決めてから測ると、取り違えが起きません。
よくある「合わない」と直し方
| こんなとき | 考えられる原因 | 確かめること |
|---|---|---|
| 測るたびに少しずつ値が違う | 頂点を左クリック(任意点)で取っている | 頂点をすべて右クリックで読み取って測り直す |
| 4 倍・1/4 などきりのいい倍数でずれる | 書込みレイヤグループの縮尺が違う | 測る図形のあるレイヤグループに切り替えてから測る |
| 0.数㎡ だけずれる | 壁芯と内法の取り違え。円弧の扱い | どの線を測ったかを見直す。円弧は別に計算する |
| 寸法から計算した値と合わない | 寸法の数字と線の長さが違う | 線の長さを測って、寸法の数字と比べる |
| 合計だけが合わない | 部屋ごとに丸めてから足したか、足してから丸めたかの違い | 端数の処理をどこでするかをそろえる |
円弧のある部屋は、弦で測ると大きくずれる
円弧の壁や出窓がある部屋で、円弧の両端だけを点で取ると、円弧は直線(弦)として計算されます。半径 1,820mm の 1/4 円の部分で比べると、次のとおりです。
| 測り方 | 計算 | 面積 |
|---|---|---|
| 円弧の両端だけを点で取る(弦) | 1.82 × 1.82 ÷ 2 | 1.6562 ㎡ |
| 1/4 円として計算する | 3.14159… × 1.82 × 1.82 ÷ 4 | 約 2.6016 ㎡ |
この例では、1 か所で 約 0.95 ㎡ の差になります。円弧の部分は、直線で囲める部分と分けて測り、円弧の部分だけ扇形の式(半径 × 半径 × 円周率 × 角度 ÷ 360)で計算して足します。
注意
円弧の上に細かく点を打って測る方法もありますが、点の数で値が変わります。確認申請に出す面積は、どの式で出したかが分かる形で残します。
端数の処理で、合計がずれる例
部屋ごとの面積は合っているのに、合計だけが図面と合わないことがあります。多くは、端数をどこで処理したかの違いです。小数第 3 位を切り捨てる場合で比べます。
| 部屋 | 測った値 | 部屋ごとに切り捨て |
|---|---|---|
| 部屋 1 | 13.2496 ㎡ | 13.24 ㎡ |
| 部屋 2 | 9.9372 ㎡ | 9.93 ㎡ |
| 部屋 3 | 6.6248 ㎡ | 6.62 ㎡ |
| 合計 | 29.8116 ㎡ → 切り捨てて 29.81 ㎡ | 29.79 ㎡ |
足してから切り捨てると 29.81 ㎡、部屋ごとに切り捨ててから足すと 29.79 ㎡ で、0.02 ㎡ ずれます。どちらが正しいかは決まりではなく、提出先や社内の決まりによります。図面の数字と照らし合わせるときは、まず端数の処理をそろえてから比べます。
どちらが正しいかを決める方法
測った値と図面の数字が食い違ったら、別のやり方で 1 部屋だけ計算し直します。やり方が違っても同じ値になれば、その値が正しいと判断できます。たとえば壁芯 3,640mm 角の部屋なら、3.64 × 3.64 = 13.2496 ㎡ です。Jw_cad で測った値がこれと合えば、点の取り方と縮尺は合っています。
- 長方形の部屋なら、縦 × 横 の掛け算で確かめる
- 形が複雑なら、頂点の座標から計算する(座標求積表を Excel で出す)
- 三角形に分けて「底辺 × 高さ ÷ 2」で足し合わせる(三斜求積とは)
ヒント
確かめた部屋は、どの線を測ったか(壁芯か内法か)と、使った式をメモしておくと、あとで同じ図面を見直すときに迷いません。
部屋の数が多い図面では
1 部屋ずつ点を取って測るやり方は、部屋の数が増えるほど手間と取り違えが増えます。設計が変わったときも、測り直しが必要です。
当社の DraftCalc は、Jw_cad の JWW ファイルを DXF に変換せずに開き、部屋をクリックして面積を求め、求積表と計算根拠を Excel に出すソフトです。作図ソフトではないので、図面の修正はこれまでどおり Jw_cad で行ってください。出力は、建築士が内容を確かめる前提の資料です。
よくある質問
Jw_cad の面積測定は、どのメニューにありますか?
[その他]メニューの[測定]にあります。面積を測るときは、頂点を右クリックで順に読み取ります。
壁芯と内法、確認申請ではどちらで測りますか?
建築基準法の床面積は、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分で測ります(建築基準法施行令 第2条第1項第3号)。具体的な扱いは、提出先(特定行政庁・確認検査機関)の運用に従ってください。
測った面積を、そのまま確認申請の書類に使えますか?
測った値だけでは、どの線を測り、どう計算したかが読む人に伝わりません。求積図(どこをどう分けたかの図)と求積表(式と面積の表)にまとめ、建築士が内容を確かめてから使います。書き方は 建築確認の求積表の作り方 で説明しています。
円弧のある部屋は、どう測ればよいですか?
直線で囲める部分と円弧の部分に分け、円弧の部分は扇形の式で計算して足します。円弧の両端だけを点で取ると、円弧が直線として計算され、面積がずれます。
面積を Excel の表にまとめたいときは?
頂点の座標を Excel に並べて計算する方法があります。手順は 座標求積表を Excel で出す で説明しています。
お手元の JWW・DXF・DWG から、確認申請の求積表づくりに使える座標求積表を出します。30日は全機能無料です。
30日、全機能を無料で試す 登録不要・インターネット接続なしで使えます。DraftCalc の詳細・価格※ 本ページは一般的な作り方の説明です。求積の方法や様式は、提出先の指示に従ってください。DraftCalc の出力は、建築士による内容の確認を前提とした資料です。